第七回 ポケモンの兵器利用とダークポケモン


有史以来、人類の歴史の中から「戦争」の二文字が消える事は無かった。
そして歴史が進む中で兵器は発展し、殺し合いは虐殺へと発展していった。
しかし、人類の科学力が如何に進もうとも、人間はポケモンを上回る機械類を作り出す事はできなかった。
そしてその事に気づいた一部の人々は、ポケモンを最強の生体兵器として利用する事を思いついたのだ。
特にここ100年の戦争の主体はポケモンである。

未だにポケモンが兵器として使われている理由は様々である。
例えば現代兵器の最高峰であるミサイルは破壊力の面では確かにポケモンを凌駕している。
しかし、コスト面で考えると同じ破壊力を出す為のマルマインを揃えるにはその半分以下の経費で出来てしまうのだ。
マルマイン1匹につき、TNT換算で数t分の火力を得る事ができてしまう。


ポケモンを主力兵器とするようになると、それに伴い兵器群としてのポケモンを進軍させない為に対ポケモン用のポケモンを防衛用として用意するようになった。
そんな中、対ポケモン専用のポケモンが生み出された。それがダークポケモンである。

ダークポケモンは通常のポケモンを破壊する為に人工的に生み出されたポケモンである。
量子物質と反応すると対消滅する性質を持った「反量子物質(AQM)」を体内に組み込む事で、如何なる通常ポケモンをも倒す事が出来るようになっている。
この反量子物質は体から漏れだし、人の目には黒いオーラとして見える。
その様子からダークポケモンは名付けられたとされている。

ダークポケモンはその強力な戦闘能力と引き替えに様々な代償を払っている。
その主な原因は+と-の相反する2つの力を抱え込んでいることである。
一つ目の弊害としてポケモンとトレーナーの意志の疎通がし辛くなっている。ダークポケモンは精神が不安定になっていて、トレーナーの命令をなかなか聞かず、時には暴走する事もある。
二つ目として寿命が短くなってしまうという事が挙げられる。反量子物質はダークポケモン自身の体内も蝕んでいくのだ。
しかしダークポケモンを作り出すのはそれ程コストもかからず、戦時下ではかなりよく使われたと記録されている。

人間の都合でポケモンが不幸になるとは、遺憾な事である。


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