ポケモンとは一体何なのだろう?その疑問は尽きる事は無い。
今回、我々オルドビス第5部隊生体情報班は興味深い資料を発見したのでここに提示する。
─以下ゴードン教授の研究レポートPT-259より重要部分のみ抜粋─
(前文省略)
ポケモンとは詰まる所は量子生命体の総称なのである。
それらが我々人類──すなわち有機生命体と違うのは、実体があるにも関わらず各粒子とそれの構成データに分割出来る所にある。
つまり構成データさえ存在すれば周囲の空間の粒子からその生命体を生成出来るのだ。
構成データに関してはこれを外部から書き換えたりコピーしたりすることは理論上不可能だが、一部の種は自らの構成を換えることで環境に適応したり、近隣他種とデータを合成させて子孫を残したり出来る。
(中略)
このような生物が自然発生したとは考えにくいので、恐らくは人間が自分たち以外の全ての有機生命体をこのような量子生命体に置き換えてしまったのではないかと推測される。
これによりこの世界に人間以外の有機生命体が存在しないことについても説明がつく。
そして植物についてはその必要が無かったか、又は時間や労力が足りなかったものと推測する。
そして置き換えは遥か昔に起きて、今の人類はその歴史すら知らないのではないだろうか?
しかしここで一つの疑問が残る。それは何故このような置き換えを行う必要があったのか、という点だ。
現在、今からおよそ一万二千年前にこの星で大きな異変があった事が判明している。
ここからは私の推測なのだが、当時その異変を乗り切る術を人類は保有していた。しかしどうしても他種の生物の滅亡を避ける事が出来なかった。
そこで考案されたのがこのように有機生命体を量子生命体に置き換えてそのデータのみを保存するという「ノアの箱船」的な方法だったのではないか?
(中略)
やがて大異変が起き、人類は滅亡を避ける事に成功したものの文明は失われ原始的な生活に戻らざるを得なかった。
そして永い時の中で史実は忘れ去られ「ポケモンはそこにいるもの」という事実だけが受け入れられた。
(中略)
そう考えると今まで見えてこなかったポケモンの新しい一面が見えてくる。つまり、
「人間がポケモンに成ることは可能なのか?」
ということだ。
先ほどの仮説が真実なら、それ相応の設備、科学力さえあれば可能であると結論付けられるが、それは「人間の形をした量子生命体」であり、果たしてポケモンと呼ぶべきものか人間と呼ぶべきものかは不明なのである。
(中略)
この理論で全ての事象の説明がつく。しかし客観的な証明手段が無い今、この仮説は仮説の域を出る事はないだろう。
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分かっていただけだろうか?
つまりポケモンは自然にいたのではなく、人工的に作られた生命体なのだ。
この理論は後々基礎となるので覚えておいて欲しい。
このレポートは現在、学会中で大きな話題となっているが、一般市民の関心はあまり向いていないようだ。
この事が事実であろうとなかろうとそこにいる「ポケモン」というものが変わることはないのだから。
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